片想連鎖 ~伝えたい心~
「カ…カイ。葉山さん、何か、みんなみたいに勘違いしてるみたいなの。…私とカイは、友達だよね?」
私がカイにそう言うと、カイは俯いていた顔をゆっくり上げて…
困った様に眉間に皺を寄せた後、目線を私に向けながら悲しそうに微笑んだんだ。
カイは、私の問いに肯定も否定もしなかった。
いくらバカな私でも、カイの表情を見ればそれが何を意味しているか位、分かる。
カイ…カイは…私の…
私の…
震える手を、ギュっと握りしめる。
「…明奈。俺…」
と、カイが私の名を口にした時、私はそれに被せながら話し出した。
「カイはっっ!!…カイは、私の友達なの。…だから、葉山さん、大丈夫だから…。わっっ、私!!まだ明るいし、走って帰るから!カイ、バイバイ!!」
そう言うと同時に、私は踵を返して走り出した…