誠につもる白雪かな
凛「ねぇ〜...山南さん」


苦笑いしている凛に気づく事なくシャープペンと消しゴムに夢中になっている山南。



山「なんでしょう?」


凛「お願い聞いてもらえませんかね〜...」


いつもの調子でまた畳に横になった凛を気に止めず話を聞いていた。


山「私で良ければはなしてください。」


凛「労咳...なんだって」





一瞬時が止まったように思えた。




山「いま...なんと?」


凛「だからね?労咳なんだってさ。」


苦笑いしながら顔だけ山南に向け団扇で仰いでいた。



山「誰が...ですか...」


凛「ん〜?私がね。」


伸びをしながらあくびをする凛に、山南は詰め寄り方を掴んだ。


山「事実なんですか?」


凛「うわぁっ!びっくりした!こんな嘘ついても仕方ないでしょう」


鋭い目でこちらを見る山南に短く息をはきながら凛は起き上がった。


凛「みんなには内緒にして下さいね?」


山「しかし...」


凛「無駄な心配かけたくないし!なにより歴史を変えなきゃだから!」


微笑んだ凛に絶望的な顔で呆然と見つめる山南。


凛は全てを山南に話した。


未来にはもう帰れない事、沖田の労咳を治した代わりに自分がかかったこと、こっちに残り歴史を変えること。




山「このこと、沖田くんは?」


凛「言えませんよ。」


山「なぜそこまでして...」


凛は山南の肩を掴みいった。


凛「みんなに誠があるように私にも志や誠があります。それを成し遂げたいんです。わかってください。」


もはや山南は何も言えなかった。


凛「だから山南さんにはね、私の体調管理をお願いしたいんです。」


いつものように笑みを浮かべた凛に山南は頷くしかなかった。


凛「このことは山南さんしかしりませんからあなただけが頼りです。お願いします。」


山「分かりました...無理はしないように...」


凛「はーい!」


片手をあげるといつものようにスキップをして鼻歌を歌いながら出て行った凛に複雑な思いを抱えながら山南はただ呆然とするしかなかった。
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