誠につもる白雪かな
3人は茶屋に入っていた。


総「で、何であんなことになったんですか?」


凛「その前に懐刀はなぜ?」


総「え?」


凛「誰かを刺すつもりでしたか?」


驚きながら凛と娘を交互に見つめる総司。


娘「うちの...旦那は...不逞浪士に殺されたんどす...何もしてへんのに...。えぇ人どした...困ってる人がおったらどんな時でも助けはる...。あの日もそうどした。」


そう言って俯いた娘。


総「あの日?」


娘「へぇ...酷い雨が降ってはりました..。買い物からの帰りに歩いてたら前を走ってた幼子が転んで...そん時に不逞浪士にぶつかってしもて...切られそうになった所を咄嗟に前に出はった...それで...バッサリ...」


そこまで言うと娘は涙を流した。


凛「それがあの人だったんですね?」


娘「殺してうちも死ぬつもりどした。悔しゅうて...死んでも死に切れんのどす!」


総「もう大丈夫です。それは私たちの役目。貴方が手を汚す必要はありませんよ?」


凛「良く...頑張りましたね。」


凛は娘の頭を撫でた。


娘「ほんに...おおきにどした。御礼にこの茶屋のお代はうちに払わしておくれやす。」


総「すみません。逆にありがとうございます。」


娘「えぇんどす。新撰組はんは将軍様の為命を掛けてはると聞きおした。お世話になっとるんやからこれくらいさせておくれやす。」


娘は微笑んだ。



凛「ではお言葉に甘えて♪」



そんな時突然凛が咳き込んだ。



凛「げほっ!ごほっ...げほげほっ...すみませんっ、噎せちゃって...ちょっと厠にいってきます!けほっ!」


そう言って走って外に出て行った。



娘「悪い...咳ですね...」



総「分かるんですか?」



娘「うちの父が医者をしていましたから」



総「何の病気なんですか?」



娘「さぁ...私にもそこまで...」



沖田は凛が出て行った方を不安げに見つめていた。
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