誠につもる白雪かな
パンッ‼


パンパンッ‼



ドンッ‼



凛「うるさいですねぇ〜...」


総「ねぇ〜...」


新撰組は近藤勇、土方歳三、藤堂平助、山南啓介、山村凛の尽力により軍備を揃え、ついに幕府直参となった。


数々の働き故、薩摩より手狭なった屯所から新しい屯所に移動するよう大金を受け不動村に移転した。


凛「ここまで来ましたね。ついに。」


総「僕はね、両親を早くになくしました。」


凛「え?」


突然話し始めた沖田に目を向ける。


総「姉夫婦だけじゃ面倒見れないって近藤さんの道場に預けられたんですよ。」


微笑みながら凛を見た。


総「何で私がって思いました。その時から僕の友達は剣だけでした。それいらい近藤さんと土方さんのために剣をふるって来た。でも今はもう...剣の時代じゃないんですね。」


砲術の稽古をする隊士を見ながら少しだけさみしそうな顔をした。


総「でもね、後悔はしてないよ。僕なら砲術でも一番になれる。そして新撰組の為に捧げて来た志を今度は凛さん...貴方に捧げたい。」



真面目な顔をして手を握った。



凛「総司...」



総「凛....これがすべて終わって平和な日が来たら...僕と一緒になって欲しい。」



凛「ぇ...」



総「祝言をあげませんか...貴方の人生を僕に守らせてください。」



凛に向き合い見つめた沖田の瞳は今まで見たことないほどに真っ直ぐで澄んでいた。



凛「私でよければ...喜んで...///」



そう言うと沖田は目を見開き脱力したように後ろに倒れこんだ。


総「良かったぁぁ‼‼すっごく緊張したんですよ‼‼」



凛に見せた掌は震えていた。



凛「ふふ♪らしくない〜‼」



総「もう‼」



すると後ろの襖から声が聞こえて来た。
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