黒猫浮かれん坊
小夜は泣きながらそう言った。
だが、小夜は涙を拭いながら

「でも…
死者で遊んでいいはずないっ…!」
と言ってポケットからカッターを取り出し

黒猫に突き立てた。

「小夜…」
「私は死者じゃない、私はただ単に
奇跡的に助かっただけなの…
私、思い出したの…」

小夜は玲に向かって抱きついた。

「だから終わらせよう?良ちゃん…」
「俺は…玲だよ…」
「違う…顔は確かに凄く似てる…
でもね、私には分かる…
貴方は良ちゃんだよ」

小夜に抱きつかれ玲…良は涙を流した。

「死者は貴方ね…?
黒ちゃんは猫又だったの…
それを気味悪く思った
学校の人に殺されてね…
恨んだ黒ちゃんは死者で
遊ぶようになっちゃったの…」

良は小夜を抱きしめ返すと
唯々静かに泣いた。

「あの時、
自分の心音が止まる音が聞こえたんだ…
気がついたら真っ暗だった。
それで直感的に思ったよ…
俺は死んだんだって」

「良ちゃん…」
「俺は『兄さん』を恨んでいた…
小夜の隣に居続ける兄さんが羨ましくて
妬ましくて堪らなかった…
ごめんね…小夜…兄さん…」

良はそう言うと静かに消えた。

「まだ…終わってない…
死の連鎖は…まだ続いてる!」

小夜はそう言うと屋上の階段を
降りて行った。一番大事なあの人の元へ

「待っててね…玲ちゃん!」
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