黒猫浮かれん坊
【第七章:終わらない連鎖】
「玲ちゃん!」
「俺は…良だよ…?」
「違うのっ!
良ちゃんの気持ちに飲まれてただけ!
貴方は玲ちゃんなの!」

一卵性の双子で生まれ…
好きな人が一緒になり…
俺は小夜と付き合うことができた。
でも、小夜と弟が事故にあって
小夜も良も危ない状態だった時…
俺は良じゃなくて小夜を優先したんだ…
良の叶わなかった恋を、
俺が良の代わりに
叶えてあげようとしたんだ…

玲(弟)が死んで、良(俺)を生かしたんだ。

初めから気づいていたじゃないか…
玲(弟)が生きていた時点で
可笑しいって…思ってたじゃないか…
だって、良は俺で、玲が弟なんだから…

兄が弟で…弟が兄になったんだから…

「良…っ!」玲は良を失った事を
ずっと隠し続けてきた。
良と携帯を交換し
新しい携帯を買い、
謎に包まれたメールを良に送り続けた。

死者を蘇らせていたのは…
紛れもない玲だったのだ…

一人二役のメールを送り
良を生かす手段を良自身に教えていた。

「玲ちゃん…まだ終わってないの…」
「えっ…?」
「黒ちゃんがまだこの世に残ってる…」
「は!?」
「死者は蘇らせてはいけない
黒ちゃんも死に帰させなきゃ…!」

玲は空を見上げ、
「良…解決してくるよ」と微笑んだ。
< 45 / 52 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop