永久を望むなら…
「お店用に写真撮らせてもらっていいですか?」

『いいですよ。』

「じゃあ、ちょっと失礼。」


そう言って彼は私の微妙な髪を直し始めた。

優しい指先にドキリッ。

そっと彼を盗み見る。


きっと…彼は見られる事に慣れてるのだろう。

そんな私の視線を捉え、

“この子もか。”

って感じでクスッと笑う。


あぁ…誰か私の横っ面を叩いてくれ(__)


写真を撮った後に連絡先、身長、年齢。
カット、カラー、パーマは平気かを聞かれた。

ガサゴソとカバンを探って取り出した名刺を渡された。

『守口さん…?』

「はい、連絡させて頂くと思うのでよろしくお願いします。

今日はお急ぎの中ありがとうございました。」

そう言って彼は営業的な紳士スマイルを残し、
早々に去って行った。

そんな背中を焼き付けつつ、
私は上の空になった。

私、恋を見つけました!


階段の上と下。

登ってく私と降りてく彼。

“ただすれ違うだけの人”

じゃなくて、
すれ違いは出逢いになった。

嬉しくて、嬉しくて。

その後に行ったサロンでも終始笑顔だったに違いない。

あぁ、神様。
早く彼から連絡きますように―。


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