かっこ仮。の世界。
夢じゃなかったってことなんですね。
ふわぁぁぁっと欠伸を一つ。
よく見たら、ふわふわしてる白くて長い尻尾の生き物は一匹だけじゃなかった。
ええ。
そりゃもう、部屋のあっちこっちに居ますよ。
浮いてるのから二本足で歩いてるのまで。
あぁ。
でもなんか、これがごく普通の生き物なら、ふさふさした気持ち良さそな白い毛をぱたぱたさせて、ちまちまと動く姿は、可愛いと思う。
少しはこのささくれた心の癒しになる…
「みょっ‼」
「ぎゃぁっ」
……わけなかった。
いきなり頭の上に落ちてくるなぁぁぁ‼
べしゃり、と潰れた透理をみて、白くて長い尻尾の生き物はけたけたと腹を抱えて転げまわる。
妙に人間臭い仕草が様になっていて、なんなら二足歩行してる時点で普通の生き物とはかなり違うんだろーなとか、この生き物の骨格や筋肉ってどんな構造なんだろう?とか考えて、現実的な疑問に思い至ってみたら、それって現実逃避デスよね、ハイ。
ってなった。
なんでもいいけど、いつまで人の背中の上で転げ回る気だ。