かっこ仮。の世界。
水嶋透理(みずしま とおり)。
本人がどう思っているかは別として、文句なしの美人であった。
年齢17歳。
身長157センチ
体重48キロ
因みにスリーサイズは85、58、87。
一度も染めたことのない黒髪は艶やかで、背の中程まで伸び、黒眼がちの大きな瞳は、切れ長の奥二重。
日焼けとは無縁の白く、キメ細やかな肌。
頬はうっすらと桃色で、口角の上がった、形の良い桜色の唇。
時代によって美人の基準が変わるとはいえ、現代日本において言えば、透理は美人である。
透理の意識はともかく、透理が目覚めた世界においても、透理が美人というのはどうやら変わりない様子だった。
なぜかと言えば。
『僕が召喚したのは時を操る妖のはずなんだけど。んー?術式は…間違ってないし…やっぱ時空を跨ぐのは不安定ってことか。でもまあ、こんなキレイな人が召喚されたなら、これはこれで運が良いと言うことのかな?女性に興味がない僕でも、君は美しいと思えるしね』
透理の都合なんて全く気にしていない様子で、自分の顎を摩りながらのんびりと口を聞く男に、さすがの透理も口をぱっくり開けるほかにない。