かっこ仮。の世界。
「じっ…、実験だってばっ!!」
「実験って予想に基づいて、その予想を確かめるためにするわけだよね?つまり透理には出来るかもしれないっていう仮定があったってことだよね?」
ひぃぃぃっ!!
鬼だ……鬼がいるーーーーっ!
透理は星読みの盤をすっと前に押し出した。
三十六計、逃げるに如かず。
「すいません。ごめんなさいぃぃっ」
触らぬ神…もとい、触らぬ鬼に祟りなしというもの。
透理は平身低頭という言葉通り、土下座した。
身を小さくして震える透理に、清明は嘆息すると、伏した透理の頭を撫でた。
「透理。そんなに怯えないで欲しいな」
それは酷く優しい声と手で。
和らいだ空気に、透理は自然と顔を揚げて、後悔した。
「可愛い過ぎて、ますます虐めたくなるだろう?」
ひくり、と透理の頬がひきつった。
玉若さん。
私、貴方を心から恨んでも良いでしょうか?
何をどう育てたら、こんな鬼畜属性が身に付くんですか…。