ずっとそばにいたのに.......
大人になって、いろんな感情を覚え、愛すること、愛されることの本当の意味を知った。

寂しいけど、そのせいで、みんなのバランスが少しずつ崩れていくような気がする。



みんながこのままでいるためには、友哉の言うように、稜と私が結婚するしかないのかもしれない。

友哉はきっと、この雰囲気を壊したくないんだろうな。

今回はホントにいろいろ気を使ってくれたよね。

なのに、ごめんね......友哉。



「何かつまみと飲むもの、取ってくるわ。稜はビールでいいだろ。 心優は?」

「じゃ、カクテル系。」

「わかった。今日はガンガン飲めよ。」



そう言い残すと、友哉は笑顔で稜の肩をバンッと叩いて、階段を下りて行った。

意味ありげな笑顔に、稜はポテチの袋を開けながらポカンとしている。
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