ずっとそばにいたのに.......
「泣くなよ。」

「泣いてないじゃん。」

「泣く前の顔してる。」

「そんなことない。」

「そうやって、唇をちょっと噛んで尖らせたら、心優がこれから泣くサイン。ちっちゃい頃から変わってない。」

「..........うそ。」

「自分じゃわかんないだろ。俺は今まで何年、それ見て来たと思ってんだよ。」

「そうだけど.......。」

「昔はさ、その顔、何か可愛くて好きだった。それが見たくて、ワザと泣かしたりしてたもん。」

「..........。」

「でも、今日は泣くな。最後だから、笑った顔、いっぱい見せてほしい。」

「..........。」
< 146 / 375 >

この作品をシェア

pagetop