ずっとそばにいたのに.......
一番近くにいるけど、これ以上は近付けない..........

稜と私の関係を言葉に表すなら、そんな感じなのかな。

ただし、二人の間にある距離は、とても曖昧なものだけど。



一緒にいることは叶わないくせに、結局、私達は離れることもできないのだと思う。

だから、多分、これからもこの距離を保ったまま、幼なじみとしてお互いを気遣い合うのだろう。

やがて一番近い存在が、それぞれの恋人に変わってしまったとしても。



恋人と呼べる人と、こんなに親密になったのは初めてだ。

友人達が言っていた「幸せ過ぎて怖い」の意味が、やっとわかった気がする。

こんな複雑な思いを抱えた私を、航佑はまるごと愛してくれるから、安心して全部を見せられるし、素直になれる。

会うたび、愛しさが募っていく。



航佑を一番近くに感じる日は、そう遠くないのかもしれない........
< 210 / 375 >

この作品をシェア

pagetop