ずっとそばにいたのに.......
友哉はそう言い残すと、ブランコで遊んでいる心優たちの所まで歩いて行った。

だいぶ暗くなってきたから、友哉が心優に何を言っているのか、さっぱり様子がわからない。

バンクーバーの話をしているのは間違いないだろうから、いきなり過ぎて心優も怒るかな..........



そう思ったのも束の間、思った通り、心優が恐い顔をして、こっちに歩いて来た。

そして俺の目の前まで来ると、子供の頃から変わらない「これから泣きます」っていう時にする、いつもの表情になった。

案の上、すぐに大きな瞳が涙でいっぱいになる。

どうしようかと思っていたら、唇を噛み締めたまま、心優が俺にギュ〜っと抱きついた。
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