その恋の行方は…【完】
俺が上になってソファーに落ちたその瞬間…

ほのかは正気のない目で小刻みに震えながら動きを止めた。


ほのかは俺の予想通りさっきと同じ反応をした。怯えさせてしまったが、とにかくこれで

動きは止まった。

俺は、ほのかの柔らかな身体の感触に未練を感じながら、それでもこのままほのかを

怯えさせたくなかったのでそっと彼女から離れ、彼女の右手を柔らかく握って隣に腰掛けた。

ほのかは固まったままソファーに横たわっている。

しばらく、手だけがつながったまま二人の間を沈黙が漂う。

俺は、穏やかな声色になるように気をつけながら、口を開く。


「すまない。でも、立ち上がって暴れれば、お前がけがをしてしまう」

ほのかは「けが」という言葉に反応して、ソファーの上で起き上がり、俺の足元を見て、

その目を見開いた。靴下が、赤い血で滲んでいる。

さっき刺さったから…

でもほのかのどす黒い感情の渦と比べればこんなもの、なんてことはない。

「あぁ。ごめんなさい。わたし…」

ほのかの目からまた涙が溢れ、ぐっと唇を噛みしめる。

余りにも強くかみしめたのか艶やかな唇から、一滴赤いものが流れて…

落ちた。
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