その恋の行方は…【完】

そして、あの夏の日。俺は今年もほのかを誘って二人きりで花火に行っていた。

彼女も気にはなったが、俺が誘わなかったからか同僚と花火に行くらしい…

こんな大きな会場でまさか会うわけはないとたかをくくっていた。


この花火も地元のイベントだがもう何回来たのだろうか?

いつものように浴衣で来たほのか。ほのかには触れることはできなくても…

その姿を拝めるだけで俺は少年のように純粋にうれしかった。

夜店をブラブラと歩いて、リンゴ飴を買ってやった。

幼く見えるほのかが赤い飴を持って俺に向かって微笑む姿に…

俺は何度胸をときめかしたんだろう?


俺の欲望のままに、わがまま勝手に扱ってしまうのが彼女。

そんな自分を隠してただ壊れ物を扱うように、大事にしたいと思う

臆病な俺になってしまうのが穂香(ほのか)。


彼女たちは似ている。思う人いがいても、その想いは叶わない。

それぞれの気持ちの向きは決して交わらない…

そして、俺はどちらにもそれぞれの想いを抱いている…

その間を揺れ動きながら、俺はほのかとこのまま友達以上恋人未満で

一生付き合い続けることを選んだ方が幸せなのか?

そう思い始めている自分に気が付いた。俺は本当はどうしたいんだ?
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