ロング・ディスタンス
 泉と一緒に職場を出て、駅ビルの中にある料理店に向かった。
 店に着くと、男性の二人連れがすでにそこにいて、栞たちが来るのを待っていた。「おーい! ここ、ここ!」と、ボックス席から泉のカレシが泉を呼ぶ。

 席に着くと、そこには院内で見掛けたことのある男性職員が二人並んで座っていた。ちょっと年齢差のある二人連れだ。
「初めまして細谷です。第一外科部の看護師です。いつも泉がお世話になっています。」
 若い方の男性が自己紹介をする。泉の付き合っている若手看護師である。
「初めまして。児島です。こちらこそ浅羽さんにはいつもお世話になっています」
 栞もあいさつを返す。
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