君の体温
「じゃー、また会ったらよろしく!」

タタタタ・・・

あんなにも大きかった背中が

どんどん小さくなっていった。

「あ!私の名前教えてなかった・・・。」

肝心なことを忘れていた。

いつもはこんな失敗はしないのに。

今日の私は、何かおかしい。

「日下部 空・・かぁ~・・。」

「本当に、空みたいに爽やかな人だったな。」

「ふふっ。」

ちょっとだけ、私は笑った。

何か、ちょっとだけ嬉しかったんだ。
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