ヘビロテ躁鬱女
海の愛。山の恋
 海の愛。山の恋。とっても可愛い子が集まる居酒屋。私はこの中で必死に働いた。


誰が見ているなんて関係ない。ひたすらメニューを拭き、机を拭き、椅子を拭いた。


フロアーが見える調理場や同僚は、その私の真面目さに関心した。


特に調理場は中国人とミャンマー人で占めており、どうサボろうかと、そればかりを考えている人達だったので、余計に評価を得たようだった。


「狂子、今日も頑張るね!」


焼き場の中国人、張風明(ちょう・ふうめい)が声を掛ける。


「狂子、今日も可愛い! がんば!」


揚げ物担当のミャンマー人、スウチ・ヤンが答える。


調理場は中国人とミャンマー人の対立で、いつも険悪だった。
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