ヘビロテ躁鬱女
 小声だが、道路をすれ違う人達に十分に聞こえたはずだ。


誰も助けてはくれなかった。立ち止まりもしなかった。


自分の声が聞こえていたのは、私自身の鼓膜だけだったのかも知れない。


――誰にも届かない叫び。この声は、なんの為にあるんだろう?


コンクリートをずりずりと這いつくばり、自転車からやっと逃げ出した。


「公園に行く気になった? 血もでてるよ? バイ菌が入るからよぉー水で洗い流そうぜ?」
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