ヘビロテ躁鬱女
 ――どうして狂子が電話を? ……なんの用事だろう。


振動する携帯をじっと眺め、ふと隣を見る。横には蹲り寝息を立てる和歌子がいる。


心臓が少しだけ早くなり、チクリと痛んだ。


滅多にない狂子からのコールに出たくて仕方がなかった。でもここで出てしまったら……和歌子を裏切るようで。


だけど……きっと何か遭ったに違いない。


和歌子を起こさないように、そっとベットから降りた。
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