ヘビロテ躁鬱女
「お茶? 冷蔵庫はこっちだよ。ねぇ、携帯の音が聞こえない? 振動の音だよね、これ? 私かな……」


「そうだった! こっちだったね! 寝惚けてたみたいだ。ごめん。えーっと……おっと、お茶意外にも色々あるんだね」


冷蔵庫前にしゃがみこみ、用意してくれた灰色のスウェットのズボンが少しだけ、ずり下がった。


和歌子はベット上の自分の携帯を確認しているようだった。ベットの軋みがそう答えていた。


「あれ、なにも着信がないみたい……鉄平の携帯じゃない? どこにあるの?」
< 306 / 417 >

この作品をシェア

pagetop