ヘビロテ躁鬱女
「どこにも行かないよ。冷蔵庫のお茶を取ろうと起きただけだよ?」


なにも起きていないかのように、スローモーションで振り返る。


両手に隠された携帯は、背中の方で振動していた。


やましいことは何もないのに、それは咄嗟の行動だった。


そしてまた気づく。


心苦しさと後ろめたい気持ちに。
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