ヘビロテ躁鬱女
「輝さん。狂子は子供じゃないんだから……はいはい! ウーロンハイ出来上がりましたよ! ぐっと、ぐっと!」


「お、おう……悪い衣舞。ちょっと、トイレ行って来るわ」


輝は立ち上がり、目力と首の向きで「お前もトイレに来い」そんなような合図をし、ふらふらっと歩き出した。


私は気だるく、グラスに口を付け、その後姿を見送った。


「狂子。今度輝さんがトイレに行ったら、その隙を見て和歌子に話掛けようと思うの。その時がチャンスよ? 

一人になった鉄平と少しでも会話をするの。良い? 貴方たち、会ったのは久しぶりでしょう? 短時間で打ち解けなさいよ」


「……短時間で? そんなの無理よ……」
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