ヘビロテ躁鬱女
 狂子……取られたくないんでしょう? 自分の気持ちに忠実になると決めたんでしょう? だったらやるの。やるしかないの」


――でも……どうやって……?


好きって、私から言う? ――でも断られたら? 拒絶されたら? 


鉄平は彼女持ちなんだよ? ……そんなの怖いよ。


悟ったように衣舞は、厳しい瞳で見据えた。


――やるしかないんだね。


「衣舞戻ったぞー! じゃんじゃん作れ作れ。どんどん呑むぞ! ……ん、あっ、少し酔っ払ったけどな」


輝は席に戻り深く腰を掛けると、大きな呼吸を繰り返した。


――結構……酔っ払っているみたいね。
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