ヘビロテ躁鬱女
「電話もメールもこちらからは出来なくなったし、店でも……話し辛い状況になってしまったし――でもこれだけは聞きたかった。

長くここには居られない。一言でいいから……」


「会いたかった! 会いたかったの……」


鉄平の苦しそうな捻り出す声に、思わず言葉を遮った。


――言ってしまった……とうとう言っちゃった。


頬が赤らんでいるのが、自分で分る。


アルコールとは全然違う熱っぽさだった。


「……狂子さん」
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