ヘビロテ躁鬱女
 ――この声は……。


慌てて振り返ると、声の主は鉄平だった。あまりの衝撃に胸が早鐘を打った。


こんな狭いスペースに二人きり……?


「和歌子に気づかれたくなかったから、急に口を塞いでごめん! でもどうしても聞きたくて……俺――やっぱり、あの電話の内容が気になって仕方ないんだ。

ほら、電話なんて今まで一度も掛けてこなかったでしょう? 初めてのことで嬉しかったんだけど」


狭い空間の左右には乱雑に置かれた複数のダンボール箱。二人の距離は必然的に近くなるしかなかった。


――どうしよう……急な展開にびっくりするよ!!!!
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