ヘビロテ躁鬱女
「狂子さんって、輝さんが好きなのかと思っていましたけれど、鉄平君が本命だったんですね!?」


遠くの方で愛子の声が聞こえる。私が横溝を好き? 馬鹿な……。


やっぱり席を替わったの私のためではなく、自分のため――。


「狂子? 大丈夫? このままじゃ帰れなくなるよ!?」


和歌子……家? 家のことを考えると、ますます酔いが回る。


それならば、このまま鉄平に甘えたかった。寝心地がいい、この肩で。


「俺が面倒をみましょうか?」


「とりあえず朝までは時間潰そうよ。始発が動くまでさ」


「愛子も店長と仲良くなりたぁーい!」


身近な会話が遥か遠くに聞こえた。
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