【完】結婚からはじまる恋《2》
頼の黒曜石の瞳から涙がポロポロと溢れる。




「俺はお前を失いたくない…」




「頼…」




彼は私に縋った。



「…ゴメンなさい。私の一生で一度のわがままを許して…頼」




「俺にとっての家族はお前だけだ・・・」




糸の切れた操り人形のように頼はその場にうずくまってしまった。



そして、嗚咽を交じらせて涙を零す。



私にとっても頼が家族だよ・・・



でも、せっかく授かった二人の命をできるなら産んであげたい・・・



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