【完】結婚からはじまる恋《2》
「ダメですか?」




「恋華は多忙な身…どうやって会うんですか?」




「会ってくれるんですか?」





「…別に…」




車は赤信号で停車した。




バックミラー越しに見える優也さんの顔は複雑に表情。





「…奥様も余裕ですね…人の恋路を干渉できるなんて」



優也さんにしては皮肉めいた言葉。





「別に私は…」




「…貴方には余裕などないはず…」




「!?」




「…俺の好きな人って誰か知ってます?」




「えっ?」





「俺の好きな人は…奥様貴方ですよ…」




優也さんは顔だけ私の方に向けた。その瞳は獲物を狙う獣の目だった。


< 55 / 213 >

この作品をシェア

pagetop