【完】結婚からはじまる恋《2》
「証拠もないのに…ボスを疑うなんて…大江弁護士が知れば…君はクビだぞ。いいのか?」



高井田は俺の言葉に全く動じなかった。

ずれた眼鏡のブリッジを押し上げて、涼しげに俺を見る。



何事にもうろたえない強靭な神経の持ち主か・・・

弁護士はそうでないとな。



「世代交代して若い先代の社長の孫である貴方が社長に就任したと言うのに…弁護士は変えないんですか?」




「今の所…顧問弁護士は大江弁護士で構わないと考えている…」




「そうですか・・・」




「…大江弁護士に代わって自分を顧問弁護士据えろと言いたい顔だな…」




「…そうです」



高井田は抜け抜けと肯定した。








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