【完】結婚からはじまる恋《2》
私の姿を見るなり、受付嬢たちは総出で椅子から立ち上がって出迎える。



「社長…奥様が忘れ物を届けに…エントランスにお見えになっております」



奥様ーーー・・・



その響きが私の頬に熱を集めた。



こんな私が社長夫人だなんて・・・




ほんの数分で優也さんがエントランスに降りてきた。




一番、会いたくない相手が私の応対をする。




「…このレジメは…ボツになったレジメです…シュレッターにはかけずそのまま社長…家に持ち帰ったんですね」




「すいません。電話して確かめたら良かったですね」




「まぁ、社長室に案内します」









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