【完】春紫苑





「そうか……」






隆弘さんは話を聞いたあと、そう呟いて黙ってしまった。



沈黙が三人を包む。


だけど私たちは忘れていた。



何故か、忘れていたんだ。


由季さんが死んだという哀しみに暮れすぎていたんだ。




だから、忘れていたんだ。


由季さんは





「楯野 隆弘さんですよね?」



「あ……はい」



「私、東警察署の中本と申します」






殺されたってことを。








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