【完】春紫苑
「梶塚さん、どうされまし……っ!」
呑気にドアを開け、声にならない悲鳴をあげたのは看護師さんだと思う。
なんて、ついてない人なんだろう。
確認したいけど私は、恐怖で足がすくんで振り返ることすら出来ない。
バタンと、ドアがしまった音がして足音が遠くなる。
「あぁぁぁぁぁぉぉっ!!!」
何かを傷付けたいのか、何も傷つけたくないのか叫びながらひたすらナイフを振り回す駿の行動には何の意味があるのだろう。
「よし、分かったよ美琴!!」
突然、名前を呼ばれビクンと肩がはねる。