暗闇の鎌【読みきり短編集】
「はぁ……相変わらず殺風景な部屋だなぁ。なにもない部屋を見ると落ち込むわー彼女でもいればなぁ」


6畳間の1K。畳の上には敷きっぱなしの布団と、小さなテーブル、同じく小さな冷蔵庫。奇しくも押入れ付だったので、そこだけが救いだ。


帰宅すると一先ず、ごろりと布団の上に転がる。天井を見上げ、シミの数を数えていると同時に、手持ちの金の数も勘定した。


「はぁ……金、なかなか貯まらないなぁ……そうだ、今日はAKCのスペシャル番組があったな」


こんな俺にも、ちょっとした楽しみがある。そう。人気アイドルグループがせめてもの慰めだった。


ワンセグ機能を起動させようと、ズボンのポケットから携帯を取り出し、ごろっと今度は横向きになった。


「来月こそはテレビを買うぞ……ん? なんだあれは?」
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