暗闇の鎌【読みきり短編集】
「おい……なんでころころと声が変わるんだ?」


複数の声が混ざり合う。一つの肉声だったり、ハモってみたり。その特徴ある声音に聞き耳を立てた。


――マタソウヤッテ、ランボウスルノネ……ウランデヤル!!!! コロシテヤル!!!!


「ああ、その声……思い出した。大好きだった声だ――昔追っかけていた秋葉原の素人アイドルか。

あの時は酷かったよなぁ? お前らに全財産をふんだくられたものだよ。

しかもそのお返しが、綺麗な裏の顔に隠れた薄汚い性格だったよな。

言葉の汚さ、足元に落ちている煙草の吸殻――天使なんていないんだと思ったね」


――オマエノセイデ……ワタシタチハ……シネ! シネ! シネ!!!!
< 24 / 118 >

この作品をシェア

pagetop