暗闇の鎌【読みきり短編集】
「あちらが気になりますか? お客様、お目が高いですわ! 

ちょっとだけハートの枠が厚めなんですが、それが逆に個性を主張しているんです。

青一色しか使われていないのですが、サファイアのような気品あるお色ですよね?」


「ええ……とっても」


ほうっと溜め息が出るほど、今まで見たことがない色調だった。


海のような底知れない深い青でもない。空のような透き通る青でもない。まるで悪魔的な存在――。


「敦志、私これがいい! 凄く大事にするからお願い!」


「なんだよ亜貴。俺よりこの鏡に夢中って感じだな。店員さん、この鏡を包んでもらえますか?

亜貴はここで待ってて。お会計してくるから」
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