止まない雨は無い。ーハッピーエンドのその先ー

「聞いてくれ!


俺は、最低だ…。

加奈の居ない寂しさで、


里穂を利用してしまった。」


「直夜さんが、悪いんじゃない!

私が…


私が、直夜さんを愛していたから!」



この茶番を何とかして欲しかった。


里穂と直夜は、


悲劇のヒロインとヒーローを演じているんだ。


謝っときながら…


この私を屈辱している。


「……。」


「加奈…。


私達は、悩み。


悲しんだ。

葛藤もあったしね。




でも、子供には罪は無いわ。」





「だから、結婚させた…。」



この場に、私の味方なんて




居ない……。


「加奈。


ごめん…。

今は、里穂と里奈が


1番大事なんだ…。」



直夜さんの謝罪と



現実を突きつけられた。




私の心は、ボロボロに砕け散った。






「いやあああぁあぁああ!!」





私は、叫んだ。




「みんな!!



みんな!!」





私は、車椅子ごと倒れた。



手を貸そうと、



直夜、里穂が駆け寄る。




「触るなぁぁぁぁぁ!!


あああああああああ!!」





騒ぎになって、看護師さん達が…


やって来た。



「てめぇぇぇら!


ぜったいに…っ!


許さないっっっ!」



みんなの顔が、固まった。





「加奈さん。


落ち着いて!!」


数人の方に、病室に連れていかれた。




「私が、辛い思いしてる…


の、に、


何で



何でなのよぉぉ!」



今の私の顔は、醜いだろう。


でも、


言わなくちゃ…やってらんない。










心は、壊れてしまった。












< 20 / 92 >

この作品をシェア

pagetop