止まない雨は無い。ーハッピーエンドのその先ー

私は、急いで自分の家へと戻った。迷う事無く無事に、たどり着いた。


方向音痴じゃなくて、よかったと思った。




戻ると、りんさんと純さんがリビングに居た。


空気が、ピリピリしている。



「お前…どこ行ってた?」



低い声で、私に問いかける。明らかに、怒っているのが分かった。



「目が…覚めて…


眠れ…なくて。」




「……で?」




凄い恐い!あの、鬼の仮面みたい!


今まで、怒られる事があまり無かった私としては…。かなりビビっている。



厳しいお父さんじゃなかったし…。




「家の近くの、公園に行ってきました。」




「何で、黙って…行ったんだ?」




無表情の純さんと悲しそうなりんさん。



「すぐに、戻る…つもり



「どれだけ、心配したか。

お前、分からないだろ?!」



「ごめん…なさい。」



りんさんは、子供をあやすように…私を抱きしめた。



「純も、私も、すごく心配した。


また、1人で何処かに行ってしまったのかと思ったわ。

私達は、家族なんだから…。」




家族……?




「私達は、もう切っても切れない縁なのよ!


もっと、私達を頼って。」




私は、りんさんにしがみ付きながら…



「頼っても…良い?

甘えても…良い?

邪魔じゃない?」






「遠慮なんかじゃねーよ!


お前らしくねぇな。」


りんさんと私を纏めて、ぎゅっと抱きしめた。







嬉しくなった。涙も出てきた。






私を心配してくれる人が居てくれる。それだけで、私は頑張れる。


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