止まない雨は無い。ーハッピーエンドのその先ー
「純さん!
洗い物をしちゃいますね!」
デザートを作る純さんに、声をかける。
「加奈?!
いつの間に、来ていたんだよ!」
かなりビックリした様に私を見る。
「まぁ…
色々あって…
とりあえず、何も言わないでください。」
溜まりに溜まっている食器から、洗って行く事にした。
もくもくと、洗っていく。
無心だ。
私は、元々手先が器用でもないし…
手が早い訳じゃないから。
頑張るしかないのだ。
「これも、頼むな!」
振り向くと、朝出会った男性。
「あ…はい。」
何とも、爽やかなスマイル。
ニコッではなく、
ニカッて感じの笑い方だ。
太陽みたいな笑顔って、
この事を言うんだろうなって思った。
私は、そう思いながら…
手を動かし始めた。
ひたすら、洗い物をし続ける。
やっと、半分くらい片付いた。
洗い物は、次から次へとやってくる。
食器以外にも、フライパンやらボールやらもやってくるから…
大変だ。
でも、久しぶりの労働が楽しかった。
前なんて、嫌だ嫌だと思いながら働いていたもん。
こんな気持ちは、始めてかも。