止まない雨は無い。ーハッピーエンドのその先ー


「やっと、お前らしくなった。」



アイツの一言で、胸がドキンと高鳴った。



「そりゃ、アンタ達が招いた事だよ。


もしも、逆な立場だったら許せる?」



「許せない。」


笑ったと思ったら、顔が曇った。



「しかも、目が覚めたら…


里穂とアンタの子供出来ましたって

言われて、はい。そうですか。って言えるとでも思った??」



黙ってしまった。自分の立場が、危うくなると黙りしてしまう。


変わってないな。



「俺だって、一度の過ちが…


こんな事になるなんて。」



「避妊するべきだったんだよ。


私の時は、ちゃんとしてたくせに。」



確かに、何回もセックスしてても…


避妊は必ずしてくれていた。



しっかりしていた人だったから、


かなり、動揺していていたのが分かる。




「このまま、死んでいたら。



みんな幸せだった…


のかな??」


涙が、溢れた。悔しいのと悲しいのとごちゃごちゃした感情。



バッチィィィィン




思いっきり、頬を叩かれた。




「そんな事あるわけないだろ?!


俺だって、里穂だって、

お義父さんだって、

お義母さんだって…

親父やお袋…お前の友達も


心配してたし、目が覚めた時は


みんなで喜んでたんだぞ?!」



「だから…?!

何だってんの??

子供が出来たなら、降ろせば良いじゃない。

待っていてくれるって信じてた。


お母さん達だって…


結婚認めなきゃよかったのに。」



「子供には、罪は無いじゃないか!

そんな女だとは、思わなかった。」


「怒鳴らなくたって、良いじゃない!


近所迷惑よ!

取り敢えず、中に入って。」





玄関先でのやりとりで、近所迷惑になるんじゃないかと思って…


仕方なく部屋へ案内した。












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