止まない雨は無い。ーハッピーエンドのその先ー



「殴って悪かった…。」


取り敢えず、エアコンを付け…


麦茶を差し出す。



「私も、悪かった。」


何回か、ヤバそうだったけど…


深呼吸を、沢山して気持ちを落ち着かせた。



「そんで、里穂は元気?

お母さん達は??」



「里穂は、子育てに勤しんでいる。

加奈を忘れるように。

でも、加奈みたいに過呼吸もたまになる。

お義父さん達も、元気が無くなってる。


大分、ヤツれてる。


以前の家族ではないな。」



お茶を飲みながら、写真を見せる。



里穂は、若々しく居たけど…老けて見える…。


子供も、無表情だ。

お母さん達も、頬がコケている。



家族写真だが…


どうも、暗い…。笑みがない。




「加奈の影響なんだぞ?


加奈が、許したら…

もっと違った家族写真が取れたかもしれないな。」




私を責めるような、言い方だ。



「はぁ。」




私は、満面の笑みをしながら…




「里穂…仕方ないよ。


みんな、悪くないんだから。


私は、気にしてないからさ!


結婚おめでとう。


二人の結婚を、祝福するわ!!」



アイツの手を握りしめた。



ポカーンとしている。何が起こったか…分からないようだった。




「馬鹿じゃないの?


そんなのあの時に



言える訳ないじゃない。


私の記憶は、アンタと結婚するって事で止まってたの。


頭ん中ゴチャゴチャ。


結婚する相手は、妹に寝取られちゃったんだから。」



「ちがっ…

俺から、誘ったんだ。」



「でも、嫌だったら…否定すべきでしょ…里穂が。

セックスしたって事は、里穂も悪い。」




私達は、お互いを睨みあっている。


















< 68 / 92 >

この作品をシェア

pagetop