未成年・恭~【恭&綾シリーズ】2

20.ラーメン屋



「もう九時過ぎてる。綾は何が食べたい?」

「恭が良く行くところで」

「良く行くところ? う~ん、ラーメン屋とかファミレスしかない」


綾が笑った。

その笑顔に少し安心した。


「よく考えてみたら、デートとかって言うの、わかってないんだよね」

「そうなの?」

「うん。そういうの飛び越して大人になってしまった」

「大丈夫だよ。恭はこれからだもん。ラーメンがいいな」


少しだけ綾は自分の言葉に淋しげに微笑んだような気がした。

心に何かが刺さったような感じを俺は認めたくなかった。

気のせいだ、きっと。


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