未成年・恭~【恭&綾シリーズ】2


コンビニに入って、一通り見て歩いたけれど、キーはなかった。

男性店員が怪訝な顔で俺を見ている。


「すいません。車の鍵の落し物、なかったですか?」


店員は表情を少し緩め、 「あ、いや、気が付きませんでしたね。ここで落としたんですか?」 と訊いてきた。


「ここか、どこかで」


俺はそう答えて軽く頭を下げ、コンビニを出た。

そして綾の居るホテルに向かって路面を見ながら歩いていく。

綾の部屋にある可能性が高い。

でもなぁ――。
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