ひとつ屋根の下の王子様
暫くして、再び震える私の携帯。
開けば【麻都】の文字。
【お前、1人暮らしすんの?】
・・・聞いてたんかい!!
【うん、お姉ちゃんの家にね~】
送ったすぐ後に、返事が返ってきた。
前の席なのに、よくやるなあ。
【磨耶さんの家?】
・・・あ、そっか。
こいつ、お姉ちゃんが初恋の人なんだっけ。
そりゃ反応するわな。
【そーだけどー?】
少しだけ面倒になって、それだけを送れば、
【ふーん。成程。】
と、意味深な答えが返ってきた。
・・・成程?どーいう意味?
そればかりが頭の中を巡って、
授業どころでは無かったのは、言うまでもない。