『夜、嘘、真実、過去、現在』
打たれて蹲る可笑しさを、刺される銀の勘繰りを、液体に溶けて走る欲情を………………誰かのせいにして逃げてた


あの頃スプーンの上で踊った魅力的なダーリンに…もう二度と逢わないと誓って流した過去なのに、あたしは恐がりだから自ら封印の縄を解いてしまう



ねえ、この小さな水溜まりの池で自由に泳ぐのは誰?

もし…あなたにはソレがあたしに見えるなら思い違いよ…


だってあたしは爪先さえ、此処に浸して無いのだから…


だからあたしは今夜もあなたの声を聞き逃す




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