ずっと好きだと言えなかった
青春も恋愛もド素人。
全てが薔薇色とは無理だ。
恋とは辛く儚いものだと聞いたことがある。
でも毎日が華やかになるとも耳にしたことがある。
千葉君の恋の色は何色なんだろう、と思って横目で探る。
しかし気付かれて目が合う。


「………っ」


優しく微笑されて顔ごと、ぐるりと真横に逸らした。
あんな愛しげに見られと調子が狂う。
まるで自分が自分じゃなくなるような感覚に陥る。
先ほどまで触れられていた腕は、熱を帯びていた―――――…












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