【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~





そのあったかさと柔らかさに、涙が浮か
びそうになる。



「大丈夫だよ。今はちょっと、こじれて
るだけだろうし」

「うん……」

「杏子と王子なら、大丈夫」



そうだよね。


大丈夫だよね、きっと。



そのまましばらく抱き締めてもらって、
落ち着いてから律希ちゃんの腕を抜け出
したとき、



「律希」



と律希ちゃんを呼ぶ声がして、律希ちゃ
んといっしょにそっちを見れば、そこに
立っていたのは萱島君だった。



「双葉?どうしたの」

「あ、うん。あー……のさ、」



いつもとは違って、なんだか歯切れの悪
い萱島君。



「なに」

「うーん……。もう知ってるかもだけど
俺、彼女と別れたんだよね」





< 267 / 361 >

この作品をシェア

pagetop