紅いイヤホン【完】
コルクボードの写真にアルバム。
スクバのうさぎに記念日に貰ったネックレスやピアス。
マグカップに歯ブラシ、お茶碗。
この部屋には、いっぱいいっぱいかおるさんが溢れてる。
そしてあたしは多分、しばらくこれを処分出来ない。
「思い出と一緒に生活するなんて、まるで未亡人…」
あたし、イタイ。
男の人の方が未練タラタラなんて嘘。
「はぁ…。」
食べ終わった焼きそばを片付けてソファへ深く腰掛けた。
少ししか寝てないし、お腹満たされたから眠い…
ちょっとだけ、寝よう。
寝たら、ちゃんと家事しなきゃ…。
…夢でくらい、かおるさんに会えますように。