くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
すると、野島は「あっそ」と言って、いきなりあたしの体を離した。


あたしはすっかり疲れてたから、突然の出来事に体が対処できずに首まで沈みかけた……


「きゃあっ!」


沈む! その恐怖に目を見開いた次の瞬間、野島の腕はあたしを抱きかかえて引き上げてた。


「どう、まだ助けてって言う気にならない?」


野島は明らかに笑いを含んだ声で愉しそうに言う。


こ、こいつ……


絶対に楽しんでやがりますよっ!


憎たらしい!


だけど、野島はあたしの弱点をズバリ言い当てた。


「鈴本、泳げないんだろ?」


ぐわっ! 感づかれてしまいました!


よりにもよってこの小憎たらしいヤツに。


あたしはムカついて、野島の顔に思いっきり海水をかけてやった。


よし、不意打ち成功!


「ぶわっ、なにすんだよ……と油断させて!」


慌てた野島を笑うはずのあたしに波がきて、それをモロにひっかぶったあたしが笑われたし。


「もお、ムカつく!えいっ!」


あたしは意地になって野島に向かい海水をすくっては浴びせかけた。


「やったな! こりゃあ!」


野島も負けじと海水を掻く。


あたし達はいつの間にか夢中になって水のかけあいっこをしてた。
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